本日は私の好きなラーメンの話をしたいと思います。私の知っている範囲では、四つの系統があります。ます節系ですが、鰹節や鯖節など魚をスープに使用したラーメンの総称です。次に寅系といいますが、白川ラーメン「とら食堂」を源流としたラーメンの総称で、平打ち麺のあっさり醤油です。三番目は家系で、横浜の「吉村家」(ヨシムラヤ)を源流としたラーメンの系統で、太麺の豚骨醤油味です。四番目は二郎系で「ラーメン二郎」を源流としたラーメンの総称で、濃厚背脂醤油味のこってりしたラーメンを言うそうです。
次にラーメンの歴史についてお話し致します。日本で最初にラーメンを食べた人は、水戸黄門と言われています。1665(寛文5)年、中国の文化を学ぶために朱舜水(しゅしゅんすい)という儒学者を水戸に招いて勉強をしていた水戸黄門は、いつものお礼にとうどんを作ってあげたそうです。朱舜水がこのお返しとして作った中国の麺料理が、ラーメンのルーツと言われています。レンコンから作った麺で、味付けは塩。その後ラーメンが一般市民の間に広まり始めるのは、明治時代に入ってからのことです。外国人の居住が認められた居留地などで、中華料理店や屋台でラーメンが提供されるようになりました。
次に登場するのは醤油ラーメンです。中国の麺料理が日本のラーメンに変わります。1910年に創業した東京浅草の「来々軒」がその元祖と言われています。店主が横浜の中華街から中国人コックをスカウトして開業しました。東京は濃い口醤油の文化。それまでラーメンといえば塩味のスープでしたが、それでは流行らないと考え、醤油ダレにしたところ、大ヒットとなり、店は大繁盛。スープには豚骨だけでなく鶏ガラを加え、より深みのあるスープに仕上げ、シナチクやチャーシューのトッピングを載せました。現在の東京ラーメンのスタイルです。
三番目に登場したのは、白濁したスープのとんこつラーメンです。1947年に創業した福岡・久留米の店「三九」(サンキュー)がその元祖と言われています。ある日、手違いでスープを強く炊いてしまい、白く濁らせてしまいます。当時の常識では失敗ですが、試に味付けして飲んでみたら、実に深みとコクのある味だったことから、とんこつラーメンが生まれました。
そして四番目に登場したのが味噌ラーメン。札幌「味の三平」が元祖です。客のリクエストから、豚汁にラーメンの麺を入れたところ大好評。店主が全国を回ってスープと相性の良い味噌を探し、何度も試作を繰り返し、1961年には、味噌ラーメンが正式メニューに加わりました。
中国から日本に渡ってきた麺料理は独自に発展し、日本のラーメンとなったそうです。以上ラーメンの豆知識でした。
Last Update:2016年05月18日